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第41回 毎日こどもピアノコンクール

本 選 会

審査員講評

コンクールを終えて、当番審査員の各先生から各部門についての講評をお寄せいただきました。

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前半部門の総評

内山いづみ 先生

 今年も予選から沢山の方々にご参加いただき、本当にありがとうございました。
 感染が拡がっていく中、様々なご事情でやむなく参加出来ず悔しい思いをされた方も多くいらっしゃったかと思います。
本選に向けて日々積み重ねてきた努力は、必ず自分自身の成長に繋がっていく事でしょう。また新たな気持ちで来年もチャレンジしていただけたらと、心より願っております。

 本選会前半は幼児〜小学4年生、そして連弾と、完成度の高い演奏を聴かせていただきました。その中で気づいた点をお話しさせていただけたらと思います。

 課題曲に関してですが、選んだ曲の特色を掴みテンポ設定をしっかり考える事です。音楽が前へ前へと慌ただしく流れてしまう演奏が多かったように感じました。歌いすぎるあまり、うねりのようなディナーミクになってしまったり、盛り上げる時にタッチが重くなりすぎてバロック音楽に相応しくない音色になってしまうのも気をつけたい所です。
 感覚だけで弾いてしまうのではなく、様々な角度から曲を分析し、どんな構造で音楽が出来ているかを読み取りそれを音にする事で、さらに説得力のある演奏になると思いました。

 

 選択曲は皆、個性豊かで伸びやかな演奏をされていました。
 その中でも特に印象に残ったのは、自然な感性の中で表現が出来ている演奏でした。聴いている人の心に伝えられる音になるまで、日頃の取り組みの中で奥深く掘り下げて自分自身の『音』に向き合っていただけたら、そこからまた新たな音楽が見えてくるかと思います。

 今回、思うような演奏が出来なかった方もいらっしゃったかと思いますが、成長していく過程は人それぞれです。
 今回の結果に左右されず日々練習を積み重ねていくことが自分自身の力になっていきますので、これからも継続して取り組んでいただき、また来年もチャレンジしていただけたら嬉しく思います。
 

前半の総評

幼児の部

小野真紀子 先生

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 入選おめでとうございます。
 予選通過後も、さらに練習を積み重ねられたことと思います。
高い完成度に加え、生き生きと楽しそうに演奏されている姿をみて心を打たれました。

 出場者全員に賞をお渡ししたいくらい、今後の無限の可能性を感じる演奏ばかりで、点数をつけて評価を出すことにとても悩みました。
 

 ただ、音楽性だけでは入賞に必要なテクニックはカバーできません。コンクールの曲だけではなく、やや退屈であろう普段の基礎練習曲も怠らず、鍵盤の底掴みと指先でのコントロール、手の形と腕や体の使い方にも注意して練習を重ねてほしいと思いました。
 

 本日の結果に捉われず、今後の課題を見出し、ご家族とご指導されている先生と乗り越えてほしいと思っています。
出場者の皆さんには嬉しいこと悔しいこと等たくさんの経験をされ、多くの楽曲やピアノ以外の楽器を含む演奏を聴いて、音楽性が更に開花されることを願っています。

 来年、成長された皆さんの演奏を楽しみにしております。

幼児

小学校 1 年生の部

工藤真樹子 先生

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 本選会に出場の皆さん、おめでとうございました。初めてのコンクール挑戦の方もたくさんいらした事と思いますが、本番は楽しく弾けたでしょうか? 小さなお子さんにとって、予選の後にもう一度ピークを持ってくるのは大変な事だったのではと思います。ここまで支えて下さった保護者の方々、熱心にご指導された先生方、どうもありがとうございました。

 全体には皆さん立派に演奏され、小学一年生とは思えない、レベルの高い安定した演奏でした。選曲も個性に合った曲を選ばれていたと思います。

 中でもしなやかに腕全体を使って弾かれていた方は、音の伸びも良く、そこに歌が聴こえ魅力的でした。指先の訓練と同時に、背中や腕全体をどう使うかの視点も持つと、ピアノの音色に幅が出るかと思います。

 また、課題曲はゆっくりと丁寧な演奏がたくさんありましたが、やはり舞曲ですのでそこに拍子感やフレーズのまとまりが欲しいです。1拍〜1小節毎の演奏にならない様に、2〜4小節を1呼吸に、フレーズを大きくまとめられるテンポ感というのも重要かと思いました。そこを変えるだけでもかなり印象が違ってくるかな、と感じた演奏も多くありました。今後の参考にして頂ければ幸いです。

 これからが楽しみな皆さんです。来年も是非またこの場で演奏を聴かせて頂けると大変嬉しいです。小さなピアニストの皆さんの益々の成長を心から願っております!


 

小1

小学校 2 年生の部

楢原素子 先生

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 本選会のステージで演奏された小学2年生の皆さん、本当におめでとうございます!そしてお疲れ様でした。
全体の印象としては。高い集中力を発揮され、曲にふさわしいテンポと流れのある音楽ができていました。
またメロディーをよく歌われ、フレーズのまとまりも丁寧に表現されていましたね。
更なる飛躍のため、気になった点を3つお伝えさせていただきますね。
 

メロディーを流れ良く歌うことを優先され、拍子感が薄い演奏が多く聴かれました。

 ➡舞曲(課題曲に多い)は特に、拍子感を左手に意識して。
 ➡拍子の要の1拍目と、弱拍の対比を上手く音楽に活かして。(ただし1拍目に圧力のかかる音は避ける)
 ➡アウフタクトの曲は、メロディーが弱拍からの入ることを、曲全体で理解し弾きわけて。(入りは呼吸の準備が大切)

音色の変化を更に楽しみましょう!
 ➡調性やハーモニーの変化、曲の構成、音楽の表情の変化を音色に。
☆練習方法として、2~4小節ずつ(短く区切り)対比するフレーズと音色の弾き比べを。
       
本選会までの長い期間、飽きずに(崩れずに)演奏表現ができるよう、練習の工夫を。
 ➡初心にかえり、書き込みのない楽譜で、片手ずつ練習してみる。(指番号や強弱の指示などを見直す)
 ➡移調して弾いてみる(曲の一部分でも)ハーモニーの流れを再確認できる。(又は伴奏形を変えてみる、ゆっくり弾く等々)
 ➡左右のバランスを逆にして弾いてみて、良い響きのバランスを再確認してみる。
 
~最後に~
 来年3年生になった皆さんの、伸びやかな響きに、想い伝わる音楽を、また楽しみにしています(^^♪

小2
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小学校 3 年生の部

山口朋子 先生

 この度は、本選に出場された小学校3年生の皆様おめでとうございます。ご指導された先生、支えられたご家族も、お子様や生徒さんが本選のステージに立てた喜びはとても大きかったと思います。
 やむを得ず当日演奏できなかった方は、本当に悔しい思いをされたかと思います。とても残念でしたが、ぜひまた来年挑戦してくださるのをお待ちしております。

 

 さすが予選を勝ち抜いてきた皆さんの演奏は本当に素晴らしく感動する音楽もたくさんあり、審査ではありますが一聴衆として楽しませて頂きました。ありがとうございました。

 ホールがサンプラザホールになりほとんどの方が予選より大きなホールになったり、自分の弾いた音の聴こえ方、響きが全然違ったりとホールに対応するのが大変だったのではないでしょうか。広さだけでなく天井も高くなっていますので、伝えたい音楽がどんな風にお客さんや審査員に届くのかホールの空間をもっと感じてみましょう。

 3年生になりますと、課題曲も一段と難しくなりますね。音が増えたり、和音が複雑になったり速いパッセージが出てきたりなどなど。
皆さんたくさん練習されて指も速く動くようになって本当にきちんと弾かれています。技術と表現は一体ですので、最初の譜読みの段階からイメージを膨らませながら自分の音によく耳を傾けた練習を習慣付け、より深い表現を目指してみてください。


 来年は4年生! また一段と成長された皆様の演奏を聴かせて頂けるのを楽しみにしております。


 

小3

小学校 4 年生の部

三浦明子 先生

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 連日の猛暑と未だ続くマスク生活の中、ご出演された皆さんはもちろんのこと、熱心にご指導された先生、それを支えた保護者の皆様には、大変なご努力があったことと思います。改めまして、熱演を披露して頂きましたことに、敬意を表し拍手を送りたいと思います。


 予選から本選までの間に、どのくらいグレードアップされているのか、期待に胸を膨らませて、聴かせて頂きました。さすが本選会では、熱心な指導者の下で、細部にわたって研究し、緻密に勉強されていて、日々の練習が証明する艶のある深く美しい音色と、音楽力に圧倒される演奏が多数ありまして、素晴らしい演奏に出会えたことに、とても感激致しました。

 皆さん、完成度が高い中でも、更に自らを精神コントロールし、演奏イメージを実際に表現でき、存分に力を発揮することができた、そんな方々が入賞されたと思います。

 この毎日こどもピアノコンクールに出演されて、大変成長されたと思います。一つ一つ勉強していき、一喜一憂し過ぎずに、長いピアノ人生を送ることができるよう、心から切に願っております。

小4

連弾の部

秋元恵理子 先生

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 連弾部門にご参加の皆様、本選出場誠におめでとうございます。
 暑い中一生懸命に練習して来られた生徒の皆さん、本当にお疲れ様でした。そして、ご指導下さった先生方をはじめ、様々なサポートをして頂いたすべての皆様に心から感謝申し上げます。

 連弾部門はA、B合わせて今年もたくさんの方がご参加下さり、次々と気迫のこもった熱演が繰り広げられておりました。私も連弾の曲をいくつか作曲しておりますので、作品と演奏の両方の観点から大変興味深く、楽しく聴かせていただきました。


 連弾に取り組む上で気の付いたポイントが少しございましたので、ここでお伝えできればと思います。

 まず選曲ですが、迫力があってカッコイイ、という理由だけで曲を選んでしまうと沢山の音を制御できずにせっかくの練習が徒労に終わって残念な結果になってしまう、という例が結構あります。

 反対に少ない音を丁寧に磨き、フレーズ一つ一つが大変よく練り上げられて心に残る印象を与えている好演奏もありました。曲を決めるときには自分達に合った選曲をすることがとても大切です。

 それから、小さいお子さんはもちろん先生のご指導のもと、それを一生懸命練習して曲を完成させていくわけですが、学年が上がると自分達の主体的な練習が曲の完成度に大きく影響していきます。

 連弾ほど気持ちをピッタリと合わせることが必要なアンサンブルは他にないと私は思っております。二人で試行錯誤を繰り返し、ピタッと合った時にはきっとゾクゾクするような感覚を味わうでしょう。

 聴いている人にも確実にそれは伝わります。ぜひ、二人で色々なアイデアを出しながら曲を作っていきましょう。


 最後に曲がある程度完成したら、できるだけ広い場所で(出来たらホールがベストです!)先生を含めた第三者の耳で客観的に演奏を聴いていただいて下さい。全体のサウンドやバランスは狭い場所では確認しにくいものです。自分達の音も一人の時とは違ってどう響いているのかは他の人に聴いてもらわないと正確にはわかりません。

 以上の様な事、もし今後の参考にしていただけたら幸いです。また皆さんのワクワクする演奏をぜひ来年も聴かせて下さいね!
 

連弾

小学校 5 年生の部
課題曲

松原寄美子 先生

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 皆さんとても素敵な演奏でした。
 審査会議の終了後、「聞いていて楽しかった」「弾きこんでいる生徒さんが多い」「レベルが高い」などの声が聞かれました。入賞のされた方、逃された方は本当に差がありませんでした。
 是非来年もこのステージを目標に勉強を続けて下さい。

曲目について
〈インヴェンション〉
調性の変化等を含め良く勉強されていました。テクニックを身につけられ演奏されていたと思います。
更に耳を傾けるとすれば、

テーマを歌う際は 自然な流れを失わない様に
装飾音の表現は 唯一絶対の正解があるわけではありませんが、バロック時代の楽器は音が減衰してしまうことを考慮し、現在のピアノ演奏の際にも、極端なクレシェンド等不自然さを感じさせる演奏にならない様に。


〈ポロネーズ アレグロ ブーレ〉
生き生きと演奏されていました。構成を考え、まとめられていたと思います。中でも拍子感の表現が上手な方は印象に残りました。

バロック音楽はバッハの作品以外にも沢山ありますので興味を持って聴いてみて下さい。

 皆さんの演奏を聴けることを楽しみにしています。

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小学校 5 年生の部
選択曲

棚瀬美鶴恵 先生

 小学5年生の部の本選に選ばれて演奏された皆様に、心からおめでとうを申し上げます。そして、ここまで子供達をサポートして支えてこられました保護者の皆様、ご指導されました先生方に感謝申し上げます。

 5年生は予選の時から大変高いレベルでしたが、本選では更に完成度の高い演奏を聴かせて頂きまして感動いたしました。
残念ながら賞には入らなかった子供達の演奏にも、印象に残る光る演奏が沢山ありました。
 審査員一同、この度の5年生は全員入賞させたい思いでした。


 選択曲について印象を申し上げたいと思います。

 課題曲とのバランスを考えた選択が多く、とても楽しく聞かせて頂きました。
 様々な時代の曲を選択できるようになっておりましたが、どの曲もそれぞれの様式を感じてお勉強されていて、素敵に表現されてました。
 ただ、どの曲に於いても左手にもっと注意を払うことの大切さも感じられました。左手で作るリズム感や、ハーモニーの動きの土台となる左手をもっと研究してほしいと思いました。左手が分かってくると、音楽は豊かに響きだします。
 しかし、大変才能に溢れる5年生の演奏に惜しみ無い拍手を送りたいです。
 是非とも来年も挑戦されて、更なる成長を聴かせて頂けることを楽しみにいたしております。
 

小5

小学校 6 年生の部
課題曲

渡辺郁子 先生

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 今年は、コロナ感染の収束も見えず、ロシアのウクライナ侵攻、相次ぐ自然災害と、暗いニュースが続き、当たり前に過ごしてきた日常の危うさに改めて気付かされる日々でした。

 その中で、真剣にピアノに向かい努力されてきた皆さんの演奏は、それぞれの思いが溢れ、とても素晴らしく、このような時間の大切さを改めて感じております。

 

 課題曲については、生き生きと歌って弾くという何より大切なことは出来ていて、伸びやかに弾いて下さった方が多かったと思います。

 もしも少しアドバイスさせて頂くとすれば、予選からずっと真剣に取り組んで来た曲を、更にどう深めるかということでしょうか。

 

 例えば弾き込んでいくうちに、大きなまとまりやフレーズ感を求めるあまり、リズムやテンポが崩れ、細かい音やトリルがいい加減になってしまうことや、思いを込めて歌うあまり、細かい音が重くなったり、うねりが出来てしまったりすることがあると思います。

 また、それを修正するため、拍を意識しテンポやリズムを正確にと思い、アクセントが付き過ぎて堅苦しい音楽になってしまう…というようなことはなかったでしょうか? 

 

 一度弾けていた曲が、崩れてしまった時は焦ってしまいますが、そんな時こそ、弾くことから少し離れてみましょう。様々な演奏家の演奏や管弦楽も含め、バロック音楽をたくさん聴きながら、改めてレッスンで注意されたことの意味を考え、一体この曲はどんな曲だったか、楽譜を見ながら頭の中で音楽を鳴らしてみて下さい。そして新鮮な気持ちで、自分の演奏を客観的にしっかり耳を使って聴くことを心掛けてみましょう。

 たくさんのバロック曲を弾くこと、またコンクールでの経験は皆さんを大きく成長させてくれることでしょう。今後また、皆さんの演奏を聴かせて頂けるのを楽しみにしております。
 

 

小学校 6 年生の部
選択曲

八田寿美恵 先生

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 本選会出場おめでとうございます。レベルの高い素晴らしい演奏の連続で、審査をしながら楽しませていただきました。
 

 皆さん感性に合った曲を選択し、それぞれの曲のキャラクターをよく捉えて表現なさっていました。また、左手など細部に渡り勉強されている事も伝わり、嬉しく思いました。音楽は絵画と同じように、部分的なこだわりだけではなく全体のバランスを考え、遠くから眺めるということも曲全体の仕上げには大切です。
 

 また、ホール演奏は、その場の響きをしっかりと耳でキャッチしながら身体が自然と反応し、響きを作り上げていくという難しさがあります。そのために普段から耳を澄まし、感性を磨く努力が必要です。

 これからも沢山の良い音楽を聴き、読書や自然との触れ合い、友達との時間など様々な体験をして、心豊かな日々を過ごしてください。
 

 また来年、中学生になった皆さんの演奏を聴かせていただけることを楽しみにしています。

小6

中学の部  課題曲

木村真由美 先生

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 毎日こどもピアノコンクール本選会に出場された皆様、陰で支えてくださいました保護者の方々、ご指導された先生方、大変お疲れ様でした。今年もたくさんの方に出場していただき、感謝申し上げます。

 2月末の課題曲発表からこの本選会までは長いようであっという間に駆け抜けたように感じました。その期間にじっくりと課題曲に取り組み、本選会での演奏はレベルも高く、突き詰めた濃いお勉強をされたことが伺え、審査員一同大変感動致しました。

 中学生といえば勉強、部活動、塾など一番忙しい時期にピアノも両立されて取り組んでいる方がたくさんいらっしゃることにも感動致しました。

 さて、中学生の部の課題曲については、皆さんとても良く練習されていてよかったと思います。少しだけ気になった点として、舞曲やシンフォニアにおいて、ゆったりした曲だと歌いすぎてロマン派のような歌い方になったり、拍感がなくなったりしている演奏がありました。特に舞曲についてはメロディラインばかりを歌ってしまいがちですが、リズムを感じ拍感も意識しながら歌えると良いですね。シンフォニアや平均律のフーガは構成を考え、テーマ以外の対旋律もバランスよく弾いていたと思います。シンフォニアは15曲もありますので、今回演奏していない曲にもたくさん取り組んで勉強してほしいと思います。


 コンクールに挑戦することで努力することの大切さを学び、皆さんがこれからもご自分の目標に向かって進んでいけますよう願っております。

中学の部  選択曲

浅井智子 先生

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 本選会で演奏された皆さん、ご指導頂きました先生方、ご家族の皆様方、大変お疲れ様でした。厳しい予選を通過され、この本選会のステージに立たれましたこと、心よりお祝い申し上げます。

 予選よりも、さらに深く追及され磨きをかけられた演奏に、審査員全員感動しながら聴かせて頂きました。とてもレベルが高く力が拮抗する中、入賞された皆さん、誠におめでとうございます。そして、今回惜しくも入賞を逃した方の演奏からも、研ぎ澄まされた感性と、美しい音楽を聴かせて頂きました。演奏してくださった皆さん、本当に有難うございました。

 〈中学の部・選択曲〉は、誰もが一度は弾いてみたい「名曲」が揃い、皆さんそれぞれに持ち味を生かせる曲を選び、作品のキャラクターをつかんで見事に演奏されました。
 今後ますますレベルアップして頂けるように、審査会議で話し合われた事を中心に、いくつかポイントをお伝えしたいと思います。

☆自分の音をよく聴きましょう

  • 自分の出している音・・・・・・ハーモニーの色彩感、各層のバランス、ペダルの響きなど

  • 自分の内部の声・・・・・・表現しようとする音をイメージし、自分の心の中にいつも良い音を持ってください

☆拍子感、リズムを大切にしましょう

  • 長い音や休符にも律動を感じ、フレーズの行き先に方向性を持って

  • 伴奏音型は、生きたリズムを刻んで

☆作品全体を大きく見通して演奏しましょう

  • 楽譜から作曲家の考えや仕掛けを読み取り、*音色*音量*アゴーギクなどは俯瞰的に捉えて表現しましょう

  • 演奏には、客観性や冷静さも必要です

 

 コンクールは、長い期間に渡って作品と真剣に向き合い、練習を重ね、本番へ向けて心身のコンディション調整という、大変な過程があります。学校の定期試験、部活動や様々な学校行事に追われる中学生にとっては、苦しい時期もあることでしょう。
 でも、そんな時間を乗り越えたからこそ、本番のステージの上で皆さんは輝き、その演奏は聴く人の胸を打つのです。

 これからも一つ一つの挑戦を大切に生かし、豊かな感受性としなやかな心を育みながら益々成長されますよう、心から願っております。また皆さんの演奏を聴かせて頂く日を楽しみにしております。
 どうも有り難うございました。

中学

高校の部

中川和子 先生

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 私は幸運にも今回は札幌の予選と本選での演奏を聴かせて頂きました。本選に進まれた誰もが予選と本選を違うホールで同じ曲を演奏されたことはとても貴重な経験であり、これからの将来においても大きな宝物になったことと思います。

 リハーサルなしの本番では自分の音をコントロールし、いかに集中度の高い新鮮な音楽を伝えられるかが結果に繋がると感じました。長い期間弾き込んでいる曲を、あたかも今日初めて演奏する気持ちを持ってステージでの演奏に望めたらと思います。本番で自分が不安なく演奏できるためには、やはり基本の技術を高め、自分の音を持つことがとても大切な事とあらためて思いました。

 今回の本選では、各自が演奏技術を活かせる選曲で、熱量だけではない、完成度の高い演奏を目指されたレベルの高い演奏を聴かせて頂いたことに感謝しています。

 これからもより広い知識や技術力を磨き、世界に羽ばたかれることを期待しています。

高校
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